介護の仕事「本社勤務」を知ろう!

大きな会社・組織の場合には、総務・経理・人事・労務などの管理業務や、営業・広報活動、新たな拠点や店舗開発、経営企画といった仕事は本社で取りまとめることがあります。一つひとつの拠点・事業所ではどうしても利用者・入居者への対応がメインになるため、いわゆる介護職以外の仕事を本部機能として吸い上げるような形になります。

スケールメリットのある管理業務は本社で取りまとめを

総務・経理はある程度それぞれの拠点・事業所でも行われますが、全社分を取りまとめると効率的な什器や消耗品の管理、修繕対応やタブレットの一括購入といった新しいシステムの導入は、全社としてのマニュアル整備や運用指導も含め、本社で行うことが多いものです。介護給付請求や利用者ごとの自己負担分請求は、本社で取りまとめる場合もありますし、請求業務は各拠点で行って入金確認以降を本社が引き取る場合もあります。特に利用者の自己負担分については自動振替を用いることがあり、その場合は件数が多いほど手数料も抑えられるなどスケールメリットもあるので、手続き・確認を本社で取りまとめることはよくあります。また、各施設に足を運ぶなどして運営を管理する、エリア長的なポストを本社に置くこともあります。現場の問題点の吸い上げや改善を図ったり、会社としての方針と拠点運営にズレがないよう調整を行うなど、現場と本社をつなぐ重要な役割と言えます。

人事は、拠点ごとの採用活動は地元で実施することも多いですが、面接などに本社スタッフが立ち会う場合もあります。また、新卒採用やキャリア採用など転勤も伴う正社員については、全体の経営計画にも関わるため、本社が窓口となって採用計画から行なうのが普通です。入社後研修・リーダー研修といったキャリアステップの道筋をつけるのも本部人事担当の大切な仕事です。拠点ごとに環境が固定し、閉鎖的にならないよう、定期的に人事交流や配置換え、職種転換なども図っていきます。労務管理は、タイムカード集計や実際の業務との突合は各拠点で行い、本社ではその取りまとめと給与計算・支払い業務、入退社手続きや社会保険手続きなどを行うことが多いです。

地域への理解と協同を生み出す営業・広報活動は、介護業界ならでは

営業・広報活動としてまず大切なのは、利用者を増やすための営業活動です。地域の町内会や老人会などのコミュニティーに日頃から顔を出して、相談をいただけるような関係構築に務めたり、地域包括支援センターや居宅介護事業所を訪問して、ケアマネジャーに自社サービスを知っていただいたり現在の受け入れ状況をお伝えしたりします。最近の傾向としては、地域の信用金庫や自宅への配達業務のある商店、社会貢献への意識の高い企業などと協力して、高齢者への見守りや認知症対策を行っていくような機運もあり、推進役として地域での存在感を示すといった活動も考えられます。また、入居相談室を本社で設けている場合もあります。その場合、各施設の施設長や生活相談員などと蜜に連絡を取りながら見学対応を行います。

自社サービスの認知度アップをめざした広報活動の企画、実施も大切な仕事です。例えば、新しい拠点・事業所のオープン時には内覧会を企画し、地域に案内をしながら招待客を呼び、また当日の見学者増や契約につながるような集客・成約推進活動を行っていきます。既存の施設・拠点においても、地域住民に好意的に受け入れてもらえるためにも、介護用車両の駐停車や入居者・利用者の言動などでご迷惑をおかけしていないかといった小まめなやり取りも重要です。また、地域包括ケアの観点からも地域に開かれた高齢者ケアの場が求められてくるので、地元の幼稚園などとタイアップして高齢者と子どもたちとの交流機会を設けるなど、地域から喜ばれるような企画提案も行えるとよいでしょう。もちろん、一般的な企業広報と同様に、新しいコンセプトの拠点・事業所オープンがあればマスコミ向けにリリースを行ったり、取材依頼を受けてテーマに合った自社施設を案内、アテンドするといった業務もあります。

パンフレットなどの案内資料のほか、ホームページの整備も大切な仕事です。高齢者自身が調べることもありますが、多くは利用者の家族やケアマネジャーなど、周囲で調整・サービスを決定するのに発言力のある方たちがまず情報収集を行うのが、ホームページを通してだからです。特に利用者と同居していない家族にとっては、容易には見学に行きづらいだけに、まずホームページによって信頼の置ける会社・施設かを確認しようという気持ちが強いものです。自社の考えや運営のあり方、働くスタッフの様子などを生き生きと伝えるツールとしてのホームページ運営が求められます。

店舗開発・経営企画

会社の将来に大きく関わるのが経営企画であり、その中でも原動力となる店舗・拠点開発業務です。経営企画では、2年に一度の介護報酬改定に備えて行政の動向に目を光らせたり、実際に改定の中身が決まっていく中で収支を合わせていくような改善対応を全社として図っていくことも大切です。介護報酬改定は西暦で偶数年の4月に行われます。3年に一度の診療報酬改定とタイミングの合う医療・介護同時改定は特に注目で、次回は2018年がそれに当たります。厚生労働省で行われている社会保障審議会、介護保険部会、介護給付費分科会や内閣で行われている社会保障と税の一体改革、介護離職ゼロへの取り組みなどに注視して備えます。

経営企画と両輪で会社の成長に寄与する店舗・拠点開発は、介護業界においても他の業界と同様、競合他社の状況や立地などをリサーチして店舗開発を行ったり、既存施設のM&Aなどを推し進めたりしていきます。ただし、介護施設・事業所はいずれも居室面積や人員配置などに基準が細かく定められており、行政による認可や指定が必要で、無尽蔵に計画できるものではありません。また、近隣住民の理解も求められます。それでも、これからの地域社会に必要なインフラの一つとして、その振興に務めることは意義深いと言えるでしょう。

また、実際の新規物件立ち上げに際しての行政への届出も大切な仕事です。都道府県や市区町村によって要件や提出物が微妙に異なる部分もあるので、行政の担当者との交渉は重要です。

本社においてはいずれの仕事も、拠点の介護職が働きやすく、必要とされるケアがスムーズに提供できるような環境整備に役立つためのものと言えるでしょう。また、多くの地域に展開する企業であるほど、それぞれの地域性を俯瞰できたり、それ故に日本全体としての介護がどうあるべきかなど、大局的な視野を得られる仕事でもあります。

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