「介護サービスの違い」を知ろう!

サービスを提供する介護職としては、どこで働くのかによって、そのサービスの内容や質、考え方も変わってきます。それは、利用者である高齢者の気力や体力、介護度が示す身体の不自由度合い、認知症などによる記憶や感情、行動への影響により、「居る場所が変わってくるから」でもあります。「場所」をキーとして、それぞれの介護サービスを見てみましょう。

自宅か施設か事業所か、どこで受けるかでまず分類

介護サービスは、その提供を受ける場所によって大きく3つに分かれます。介護スタッフが自宅に足を運ぶ「訪問型」、日中に通ってもらって事業所でサービス提供する「通所型」、介護福祉施設に入所してもらって24時間365日を見守る「入所型」の3タイプです。

「訪問型」の介護サービスは「訪問介護」と言い、ホームヘルパーが高齢者の自宅を訪問して、比較的元気な方の通院や買い物の手助け、家の中での掃除や食事を手伝う生活支援から、重度な方の排泄介助や清拭を行うなど、介護者や家族の状況によりサービス内容は異なります。回数は、介護度によってどの程度の単位を訪問介護に当てるかにより、週1回から週数回までさまざまです。ちなみに、入浴介助は、別に「訪問入浴介護」という専門業者によるサービスがあります。

「通所型」の介護サービスは通所介護、いわゆる「デイサービス」です。車で送迎をするなどして通ってもらい、日帰りで機能訓練という軽い運動やレクリエーションというプログラムを行うものです。家にこもりがちな高齢者には活動や会話の機会となり、老化の進行を抑えることにもつながります。事業所によって、半日(午前・午後)か1日のサービスかは異なります。1日のサービスでは食事や入浴も含まれ、自宅では億劫だったり難しかったりするこれらのサービスは本人や家族の負担軽減につながり、在宅での生活を支えるものとも言えます。機能訓練を重視して、高齢者向けのマシンやレッドコードといった肉体への負担を少なく体を動かせる設備を特徴とした事業所もあります。また最近では、レクリエーションの内容も、散歩などの外出や家庭菜園などの土いじりなどの体験を重視したり、ゲームやカジノ的遊具、タブレットなどを用いたアクティビティを行うなど、工夫が凝らされていたりします。デイサービスの定員は事業所により、10人程度から100人規模まで、さまざまです。

認知症や介護度の度合いによって、提供サービスの質も変わる

「入所型」の介護サービスでは、利用者の状態によっていろいろな施設がありますが、介護の手が比較的軽い順に言うと、まず「ケアハウス」があります。日常生活を自立して送ることのできる高齢者向けの施設で、トイレや入浴の介助はほぼ必要なく、身体介護よりは身の回りのお世話や軽い運動・レクリエーション指導がサービスの中心です。

認知症の高齢者が対象の「グループホーム」は、定員は9人か18人と少人数で、家庭的な環境で暮らします。スタッフは排泄や入浴などの身体介助から、買い物の付き添いや掃除など身の回りのお世話といった日常的なサービスまで行います。認知症の特性を理解した上で、穏やかに接しながらのサービス提供が特徴です。地域密着型とされているので、入居者はその自治体に住民票のある方に限られ、地域住民との交流機会なども意識して行っていくことが、施設として特に求められています。
「有料老人ホーム」には「住宅型」と「介護付」があり、後者は介護保険的に言えば特定施設にあたります。看護師の設置義務があるなど、より重度な入居者の受け入れができるようになっています。介護サービスとしては入居者の状態によりますが、食事・入浴・排泄・移動などの身体介助が基本で、比較的元気な入居者にはレクリエーション活動の補助や外出の付き添いをすることもあります。

「介護老人保健施設(老健)」も特定施設ですが、医学的指導のもと、自宅に戻る(在宅復帰)のための介護やリハビリテーションを提供するのが特徴です。リハビリを目的とするため、入居は基本的には3ヵ月程度ですが、高齢者施設の不足している地域の場合、入居期間が長くなっていることもあります。最近は、在宅復帰率を指標として、リハビリの効果を出していくことがより求められる傾向にあります。

「特別養護老人ホーム(特養)」も特定施設で、寝たきりや重度の認知症など、常に介護と見守りが必要な高齢者向けとなっています(20**年より、入居要件が要介護度3以上に)。食事・入浴・排泄・移動などの身体介助は必須です。

ちなみに、施設としては「サービス付き高齢者住宅(サ高住、サ付き住宅)」も最近増えていますが、これは国土交通省管轄の集合住宅です。居室はバリアフリーで、安否確認や生活相談の提供などは行われますが、介護サービスの提供と住まいがセットになっている有料老人ホームとは違って、住まいとしての箱でしかなく、介護サービスは外付けで別途手配することとなっています。

自力では寂しい老後の経済。貯蓄・資産は2割が不足、4割以上が備えなし

また、今回の白書では、5年ごとに実施されてきた「国際比較調査に見る日本の高齢者の意識」という調査があります。その中の「50代までに行った、老後の生活費に対する備え」という質問に対し、「特に何もしなかった」と回答した日本の高齢者は42.7%と多く、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの20%台に比べ、かなりの高率となっています。

いっぽう、老後の備えとしての現在の貯蓄や資産の充足度を見てみると、「社会保障で基本的な生活は満たされているので資産保有の必要性はない」との回答は各国で最も低く1.3%(最も高いドイツは14.3%)であり、「やや足りない」+「まったく足りない」は他国の18~25%に比べて57%にも上っています。また、「まったく足りない」はこれまでの1割台から今回初めて2割台に達しています。

こうした結果を受けて白書では、「若い時期から老後を見据えて準備を始めることが重要」と結んでいます。自助の奨励ということでしょう。それでは、共助はどのようにとらえられているでしょうか。

医療・介護・福祉が連携しながらのサービス提供が、時代の流れ

これらのサービスをどのように組み合わせて提供するかの相談に乗り、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成・管理するのが、「居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)」です。所属するケアマネジャーが、介護保険を利用する高齢者の心身の状態を見極めてケアプランを作成します。このケアプランに沿って、それぞれの介護事業所より介護サービスが提供されることになります。

これらのサービスは併用することができるので、例えば、老人ホームに入所しながら近隣のデイサービスを利用することもできますし、自宅で週1~2回訪問介護を受けながらやはり週1~2回はデイサービスに通うといったこともよくあります。

また、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリテーションなど医療系のサービスが別の機関・事業者から提供されていることもあるので、ケアマネジャーに確認しながらそうした多様な職種とも連携をとっていくことが求められます。「サービス担当者会議」といって、特定の利用者にサービス提供している多職種が集まって、現在の提供状況における問題点や情報共有、今後の計画について話し合う機会もあります。

このように、利用者に対してもですが、そこに関わる多職種ともコミュニケーションを密にしていくことが、これからの介護職には求められています。

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